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の偽像を鏡となった構造物の後方に現す場合がある。陸上の構造物が鏡となる場合には、偽像はその背後の陸地の映像の中に生じるから問題とはならないが、図2・11のように海上に架けられた橋が鏡となる場合には、その橋の背後の海域に偽像が現れて、あたかそこに物標があるように映り、航行上の邪魔になることがある。

 

 

 

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図2・11白船以外の構造物が鏡になる場合の偽像

 

 

 

(5)第二、第三の掃引偽像
通常レーダーの電波は直進するので、レーダー水平線内の物標しか探知しない。しかし、時として地表に沿って相当遠くの物標にまで到達して、その反射像を現すことがある。このとき、例えば100海里や200海里もの遠方の物標から反射して帰ってきた場合には、その反射波はすでに次の発信パルスが出てから、あるいは次の次の発信パルスが出てから帰ってくることになり、これを第二掃引偽像あるいは第三掃引偽像という。
自船のパルス繰り返し数が1,000ppsであるとすると、パルスが発信される間隔は1msであって、これは約81海里を電波が往復する距離となる。そこで100海里の物標から反射してくれば、100−81=19で約19海里のところにその物標があるように偽像が現れ、もし200海里の物標から反射してくれば、200−(2×81)=38で約38海里のところにその物標があるように偽像が現れることになる。
(6)他のレーダーによる干渉波の偽像
自船にある他のレーダーの発信電波や、他船のレーダーの発信電波の周波数がほとんど同じである場合には、これを受信することになる。この場合、

 

 

 

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